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商談準備に使えるAIプロンプト4選|仮説・問い・ロープレ・反論への備え

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初回商談の前日、相手企業のホームページは見たものの、何を聞くか決めきれないまま当日を迎えてしまう。AIに「この会社の課題は?」と聞いても、「人手不足」「DX推進」のような、どの会社にも当てはまる答えしか返ってこない。そんな経験はないでしょうか。

先に結論をお伝えします。AIの答えが一般論で終わるとき、原因はAIの性能よりも、頼み方にあることが少なくありません。 相手についての「材料」と、何を基準に考えるのかという「判断の物差し」を渡せば、商談準備の多くはAIに手伝ってもらえます。

本記事では、そのまま使える4つのプロンプト(AIへの頼み方の型)を紹介します。私たちも社内で日常的にAIを使っており、その使い方をもとに、ChatGPT、Claude、Geminiなど、どのAIでも使える形にしました。

この記事でわかること

  • AIの答えが一般論で終わる理由と、頼み方の3つのコツ
  • 商談準備に使える4つのプロンプト(〔 〕を埋めれば使えます)
    • ①相手企業の課題仮説を立てる
    • ②初回商談の問いを設計する
    • ③AIに商談のロープレをさせて、想定質問と展開を見る
    • ④提案の前に、想定される反論と返し方を準備する

答えが一般論で終わるのは、「材料」と「判断の物差し」がないから

頼み方のコツは3つです。

  • 立場と材料を渡す:誰として、何のために考えるのかを伝え、相手の公開情報などの材料を貼り付けます。
  • 判断の物差しを渡す:「良い問いを考えて」ではなく、「この順番で、この条件を満たす問いを」と、何を基準にするかを渡します。
  • 返してほしい形と、分からないときの書き方を決める:数や長さを指定し、材料にないことは「推測」と書き、数字や事例は作らないように頼みます。AIは、情報が足りないときにも、もっともらしい答えを作ることがあるからです。

使う前に、2つだけ押さえておいてください。1つは、会社として使ってよいAIサービスと、入れてよい情報の範囲です。個人向けのプランは、有料でも、初期設定のままだと入力した内容がAIの学習に使われることがあります(設定で止められます)。もう1つは、AIが書いた企業情報や数字を、必ず元の情報で確かめることです。商談準備に使う4つのプロンプト

① 相手企業の課題仮説を立てる

初回商談の前日に使います。仮説がないまま商談に入ると、前半が状況の確認だけで終わりがちです。

あなたは法人営業の担当者として、初回商談の準備をしています。
相手企業:〔業界(例:産業機械メーカー)〕の、従業員〔○〕名ほどの会社
商談の相手:〔部署・役職(例:営業企画部の部長)〕
自社の商材:〔商材が解決する課題を一言で(例:紙とExcelで行っている受発注業務を、一か所で管理できるようにする)〕
商談が決まった経緯と、そのとき相手が話していたこと:〔問い合わせの内容、日程調整のときのやりとりなど。氏名は置き換える。なければ「なし」〕
この経緯と、以下の公開情報(会社のホームページ、採用情報、中期経営計画、ニュースなど)をもとに、商談の相手が責任を持つ範囲で、この会社が抱えていそうな課題の仮説を3つ挙げてください。根拠のある仮説が3つに満たなければ、無理に埋めないでください。
〔公開情報を貼り付け〕
仮説ごとに、1.そう考えた根拠(どの情報からか)、2.その課題を放置したときの影響、3.初回商談で確かめるための問いを1つ、書いてください。
貼り付けた情報に書かれていないことから考えたものには「推測」と明記し、金額などの数字は作らないでください。

うまく使うコツ:いちばん確かな材料は、商談が決まったときに相手が話していたことです。公開情報は、自分で選んで貼り付けるのがおすすめです。どの情報をもとにした仮説なのかを、あとからたどれるからです。採用情報には、相手が人を増やしてでも解決したいことが表れやすく、根拠として使いやすい情報です。大事なのは、3つ目の「確かめるための問い」まで出させることです。仮説は当てるためではなく、商談で確かめるために持つものです。

② 初回商談の問いを設計する

①の仮説を、商談で使う問いに変えます。初回商談でありがちなのは、調べれば分かることを順番に聞いてしまうことです。

次の初回商談(〔商談時間(例:60分)〕)で使う問いを設計してください。
相手:〔業界〕の〔部署・役職〕
自社の商材:〔①と同じ〕
課題の仮説:〔①の仮説をすべて貼り付け〕
この商談のゴール:〔終わったときに決まっていてほしいこと(例:課題が合えば、次回に提案の場をいただく)〕
条件は次のとおりです。
・問いの前に、冒頭で伝える一言(自社が何をしている会社で、なぜ今回お役に立てると考えたか)と、今日の進め方を確認する一言を用意する
・事前に調べれば分かる状況確認の質問は入れない
・仮説のどれが当たっているか(どれも外れているか)を見分けられる問いにする
・「今回お時間をいただいた背景」→「いま困っていること」→「それが続いたときの影響」→「解決したときに変わること」の順に並べる
・これまでに試した方法や、ほかに比べているものを聞く問いを1つ入れる
・答えにくい問いには、「よくあるのはA・B・Cですが、近いものはありますか」という選択肢つきの聞き方も添える
・「解決したときに変わること」のあとに、聞けた課題と商材を結びつける説明を1〜2文用意し、相手が自分の言葉で「どの課題に、どう役立ちそうか」を話せるような確認の問いを1つ入れる。手応えが薄いときに、何が引っかかっているかを聞く問いも1つ添える
・誰がどう決めるか、時期や予算の見通しは、手応えが確かめられたら聞く。直接は聞かず、「もし進めるとしたら、社内ではどのような流れになりますか」のような仮定の形にする
・最後に、ゴールに向けて次の打ち合わせを提案する一言を添える
問いは全部で10個以内にしてください。

うまく使うコツ:出てきた問いを、すべて使う必要はありません。話の流れに合わせて選ぶための手持ちです。冒頭で自社の紹介と仮説を短く伝えて進め方に合意し、困りごと→影響→解決後の変化の順に聞き、価値の手応えを確かめてから決め方や時期に進み、最後に次の打ち合わせを提案します。この流れは「アポは取れているのに受注が増えない理由」で、選択肢つきの聞き方と、仮定の形で決裁の流れを聞く方法は「『日程調整』で終わるアポが商談につながらない理由」で紹介しています。

③ AIに商談のロープレをさせて、想定質問と展開を見る

②の問いができたら、本番の前に使います。AIに相手役と営業担当の両方を演じさせて商談を通しで流し、相手から出そうな質問と、話が進む・止まる分かれ目に当たりをつけておきます。

これから、〔業界〕の〔部署・役職〕と、ある営業担当者との初回商談をシミュレーションします。あなたは、この相手役と営業担当者の両方を演じてください。
あなたの会社について分かっていること:〔①で使った経緯と公開情報を貼り付け〕
営業担当者の商材:〔①と同じ〕
営業担当者が立てた仮説:〔①の仮説を貼り付け〕
営業担当者が用意した問い:〔②の問いを貼り付け〕
相手役の人物像:〔例:忙しく、すぐには本音を話さない人/乗り気だが、自分では決められない人〕
仮説は営業担当者の推測で、当たっているとは限りません。どれを当たりにするか(どれも外れにするか)はあなたが決め、会話の中では明かさないでください。
この商談を、会話として通しでシミュレーションしてください。営業担当者は、あなたが決めた当たりを知らないものとして話します。自社の紹介と仮説を短く伝えて進め方に合意し、用意した問いは相手の答えに合わせて選びますが、決め方・時期・予算は、相手が「どう役立ちそうか」を話してから聞きます。相手役は人物像に沿って、現実的に振る舞ってください。的を射た問いには本音を少しずつ話し、質問が続くと、先にサービスの内容や費用を聞きたがることもあります。予算や決め方は、聞かれてもはっきり答えないことがあります。前向きに終わらせる必要はありません。会話は15往復以内にしてください。
会話のあとで、次の4つをまとめてください。
1.どの仮説を当たりにしたかと、使った仮の設定
2.相手役から出そうな質問と、その質問の裏にありそうな関心(7つまで)
3.相手役が自分の言葉で困りごとや「どう役立ちそうか」を話した場面と、話が止まった場面(直前の営業担当者の発言とセットで、3つまで)
4.本番の前に準備しておくこと(3つまで)
貼り付けた情報にない社内の事情は、仮の設定として話してかまいません。ただし、金額・取引先・人名は作らないでください。

うまく使うコツ:相手役が話した事情や予算、決め方は、AIが作った設定です。商談メモや社内への報告には書かず、本番で確かめることの候補として使ってください。営業担当者のせりふも、覚える台本ではなく、展開を見るための例です。役に立つのは、会話のあとのまとめです。人物像を変えて2回流すと、展開の幅が見えます。

自分で営業役をやって練習したいときは、プロンプトの最後に「上の会話は作らずに、営業担当者の役は私がやります。一問ずつ打ち込むので、相手役として答えてください。私が『終わり』と書いたら、会話のあとのまとめに進んでください」と書き足します。

④ 提案の前に、想定される反論と返し方を準備する

初回商談で、相手が自分の言葉で「どの課題に、どう役立ちそうか」を話してくれ、提案に進むことになったら使います。反論の多くは、事前に予想できます。

次の商材を、〔業界〕の会社に提案します。
提案に関わる人:〔部署・役職(例:営業企画部の部長、決裁する役員、実際に使う現場の責任者)〕
商材の概要:〔概要と価格〕
相手について分かっていること:〔これまでの商談で聞けた課題・状況。会社名・氏名は置き換える〕
これまでの商談で実際に出た反論:〔あれば箇条書きで〕
相手が比べていそうな選択肢:〔例:他社サービス/自社でやる/今のまま何もしない〕
提案に関わる人の立場ごとに、出そうな反論や懸念を、合わせて5つまで挙げてください。担当者が社内で説明するときに聞かれそうなことも含め、実際に出た反論がある場合は、それを優先してください。
それぞれについて、1.相手がそう言う本当の理由として考えられること、2.その場で確かめるための問い、3.返し方の例、を書いてください。
返し方は、相手を言い負かすためではなく、相手の懸念を一緒に整理する言い方にしてください。概要にない実績や数字は使わないでください。

うまく使うコツ:「高い」という反論の裏には、予算がないのか、価値が伝わっていないのか、比べている相手がいるのか、いくつもの理由があります。そのため、2つ目の「その場で確かめるための問い」が役に立ちます。

まとめ:次の初回商談の前日に、①と②を試してみてください

AIの答えが一般論で終わるのは、多くの場合、頼み方に材料と判断の物差しが入っていないからです。まずは次の初回商談の前日に、①で仮説を立て、②で問いに変えてみてください。時間があれば③のロープレも、提案に進むことになったら④も使えます。

ただし、AIが出すのはあくまで仮説です。①の仮説も、③で相手役が話した事情や予算・決め方も、事実として扱わないでください。仮説と問いを持って臨み、商談で相手に確かめてください。




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執筆:呂 逸云(COELU株式会社 執行役員COO)